鹿児島市加治屋町 産科・婦人科・麻酔科 柿木病院

医療法人聖成会 柿木病院 [産科・婦人科・麻酔科]鹿児島市加治屋町15番5号 TEL099-224-3939
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母乳育児

抱いて、語りかけて、そしておっぱい

母乳育児は、人を育てるためのやさしさの原点です。「おっぱいを飲ませる」という行為は、おっぱいという栄養面だけでなく、もっと大きな意味を持っています。
人の赤ちゃんは1歳まで自分で歩くことは出来ません。
この1年間は「抱いて、語りかけて、おっぱいを飲ませる」という当たり前の育児の中でしっかりした“母と子の絆”をつくる時期なのです。
母親との信頼関係がすべての愛の出発点となり、一生における心の故郷ともなるのです。

おっぱいは、とっても素晴しい!
◎赤ちゃんの健康の土台を作り・病気にかかりにくい
  1. ママからの免疫がたくさん入っています。
    初乳(お産の直後〜3日目頃までに分泌されるおっぱいの)は分泌される量は少ないですが、その中には多くの免疫物質を含んでいて、赤ちゃんの健康を守ってくれます。
  2. 胃や腸を保護し、アレルギーを予防します。
    初乳に含まれる免疫グロブリンAは、腸の粘膜を守り、整え、アレルギーの原因である異種タンパク質の浸入を防いでくれるのです。
    また、ママがアレルギーを持っている場合、その免疫がおっぱいを通して赤ちゃんに移行するという研究データもあります。
    また、ラクトフェリンは、大腸菌の繁殖を抑え、善玉菌であるビフィズス菌を増やしてくれます。

    ※異種タンパク質: 市販されているミルクには牛のタンパク質が含まれています。
                 つまり、人のタンパク質でないものを異種タンパク質といいます。
                 アレルギーを引き起こす原因の一つと考えられています。
  • 妊娠によって大きくなった子宮を元の大きさに縮める働きを持っています。
  • ママの体からプロラクチンというホルモンが分泌されます。プロラクチンは別名「母性化ホルモン」と呼ばれ、おっぱいをあげることによって、母性が自然に育っていくのです。
◎おっぱいは腐敗の心配がなく、適温で病原菌を含まず、殺菌効果があります。

◎いつでも、どこでも与えられ、しかも経済的: ミルク代は月に5,000円〜1万円程度

◎ママはおっぱいを飲ませるたびに赤ちゃんを胸に抱きます。
 胸に抱かれ、ママの温かい声を聞くことで、赤ちゃんはママとの信頼関係を築いていきます。
 また、ミルクであっても、赤ちゃんをしっかりと胸に抱き、話しかけながら飲ませてあげること
 で、赤ちゃんの心理的栄養は満たされます。

◎産後のママの身体を回復させる

  1. 妊娠によって大きくなった子宮を元の大きさに縮める働きを持っています。
  2. ママの体からプロラクチンというホルモンが分泌されます。プロラクチンは別名「母性化ホルモン」と呼ばれ、おっぱいをあげることによって、母性が自然に育っていくのです。
生まれたての赤ちゃん

 赤ちゃんは、生まれて1時間〜2時間ほどは、はっきり目覚めています。
生まれたばかりの赤ちゃんが目をぱっちり見開いて、あたりを見回すことも稀ではありません。
生まれて30分から1時間以内に最初のおっぱいを吸ってもらいます。赤ちゃんに「私のおっぱい!」と覚えてもらうのです。この時、吸わなくて、グルリと舐めまわすだけでもいいのです。

カンガルーケア

 出産直後に、赤ちゃんをママの胸に抱っこして、カンガルーの母子のように肌と肌を密着させることです。そうしたスキンシップにより、母子関係の早期確立、愛着形成が期待でき、赤ちゃんの保温にもつながります。また、人の皮膚には、なくてはならない沢山の雑菌がいます。無菌状態で生まれてきた赤ちゃんは、母親の胸でその沢山の雑菌に触れることで体に抵抗力つけてくれるといわれています。

★カンガルーケアの注意点

カンガルーケアは、赤ちゃんとお母さんの体温が相乗効果で高温になる可能性があります。熱が上がると筋肉の緊張が弱くなり、その状態で、うつぶせ寝を続けると無呼吸を起こす可能性があります。カンガルーケア中は、スタッフが常に傍に寄り添い、出生直後、30分、1時間置きに、お熱を測ったり、全身状態を観察します。その後も3、5、8時間後に観察します。

★カンガルーケアが出来ない条件
  • 37週未満の早産した赤ちゃん
  • 2500g未満の赤ちゃん
  • 赤ちゃんの元気度を見る値が低かった場合(PH7.20、アプガールスコア7点以下)
  • 羊水が濁っていた赤ちゃん
  • 呼吸状態が不安定な赤ちゃん

以上の項目に当てはまる赤ちゃんは保育器に入れて、赤ちゃんの観察が必要になります。

お産後の授乳のポイント

 初めての赤ちゃんのお世話は誰でも戸惑いがちです。初めから上手に出来ないのが当たり前です。まずは、赤ちゃんと一緒に過ごし、お世話をし、赤ちゃんと同じリズムで寝て、おっぱいを飲ませることを中心にした生活をしましょう。入院中に母子同室をして、赤ちゃんのお世話を経験しておくと退院後の生活もずっと楽になります。

◎おっぱいがいっぱい出るコツ

赤ちゃんが欲しがるたびにおっぱいを吸わせることです。出産後、24時間以内に7回以上、何回も何回もおっぱいを吸わせるうちに、おっぱいを分泌させるホルモンが沢山出てきます。

◎すぐにおっぱいは出ません 

出産後の体は、出産の疲れの回復と急激なホルモンの変化に適応するために時間が必要で、その2〜3日間の間におっぱいを作る準備をしているのです。

◎赤ちゃんが一緒だと疲れる?

「赤ちゃんが一緒だと産後の疲れがとれない」「入院中くらいゆっくり眠りたい」という声をお母さんたちから聞くことがありますが、実は、妊娠中からママの体内時計は変化しているのです。
妊娠後期になるとトイレが近くなったり、胎動を多く感じたりして、夜中に目が覚めて細切れ睡眠になります。この妊娠後期の妊婦さんの睡眠パターンの変化は、体内時計が出産や育児に向けて準備をしている状態なのです。「細切れ睡眠では、寝不足になってしまうのでは?」と思うかもしれませんが、短時間でもぐっすりと眠れる体に妊娠中から変化しているのです。

妊娠中のマッサージ

 妊娠中のマッサージの開始時期、注意点、方法などは看護師に相談してください。
当院ではバースプランで説明しています。

ママがおっぱいを成功させるための10か条(WHO)
  1. 「おっぱいだけで育てよう」という気持ちを持ちましょう
  2. 出産はおっぱい主義の病・産院を探します
  3. おっぱい育児は赤ちゃんのためばかりでなく、母親にとっても必要なことを知りましょう
  4. あなたと赤ちゃんの体の仕組みを知り、おっぱいについて正しい情報を知りましょう
  5. いつも乳頭の状態を気にかけて
  6. 「おっぱい不足かな?」と思ったとき、すぐにミルクに手を出さないで
  7. 人工乳首を使わないようにしましょう
  8. リラックスして楽しいおっぱい育児を
  9. 困ったときに、援助してくださる方を探しましょう
  10. 母育児は自然で当たり前のこと、そして楽しいことを感じましょう
最後に・・・赤ちゃんと離れないで

 多くの赤ちゃんは、天国のような胎内生活を経験し、産道では、これまで経験したことのない痛みや苦痛の試練を経て、新しい生活が始まります。それまでの暖かく宇宙遊泳のような楽しい世界と比べて、この世界は騒がしくて、まぶしくて、寒くて、そして重力がある、不自由な世界です。お母さんは、いっぱい抱っこしてあげて「大丈夫だよ」と語りかけてあげてください。すると、赤ちゃんは安心します。
出産直後から赤ちゃんと離れず常に一緒にいることで、赤ちゃんから発せられる様々なメッセージを感じることができます。泣き声やその視線に対して、母親は素早く反応し、授乳し、オムツを替え、話しかけ、そして抱っこをします。すると赤ちゃんは、早くから母親が自分に関心もってくれていることを敏感に感じ発育するといわれています。母親からの働きかけに対して、赤ちゃんも反応し、お互いに密接で深いコミュニケーションが育まれます。この母子相互作用により、赤ちゃんには母親に対する愛着が育ち、母親の母性は、より豊かになります。母と子の心理的一体感が育まれると共に、親子の絆もまた強いものに育っていきます。楽しい母乳育児がおくれますように・・ 
私たちスタッフは、いつでも応援しています。

   

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